概要
2022年4月に「P.U.N.K.」の新規カード、「P.U.N.K.JAMドラゴン・ドライブ」と「P.U.N.K.JAMエクストリーム・セッション」が登場した。
これによって「P.U.N.K.」の構築がどのように変化したのか考察していこうと思う。
以前までの【P.U.N.K.】の構築はこちらを参照してもらいたい。
相変わらずハリラドンは採用しない純構築の【P.U.N.K.】であることを前提に読んでほしい。
前回との変更点
今回の新規で具体的に何が変わったのか。
ワゴンの採用意義
なんといってもまずはこれだろう。
今までの「P.U.N.K.」魔法カードは相手への盤面処理の要求を上げるだけのカードしかなく、比較的性能が抑え目だった。
能動的に使うにしても、対象に取れないモンスターをワイルド・ピッキングの効果で破壊する時に使うくらいのものだった。
そのため、純構築の【P.U.N.K.】を組んでいてもワゴンは採用しないという人も少なくなかった。
しかし、今回の新規カードで強力な魔法カードであるエクストリーム・セッションが追加され、展開の合間にワゴンを挟むことで展開を伸ばせるようになった。
これにより、明確にワゴンを採用する意義ができたのだ。
手数の強化とアドバンテージ獲得の増強
上の項にも連なってくるが、「P.U.N.K.JAMエクストリーム・セッション」の話。
墓地リソースを消費して手札から展開する効果のおかげで初動の展開も伸び、以降も盤面に維持できれば手数の増強が保証された。
また「P.U.N.K.」下級共通の600LP払っての固有効果を使用すると、なぜか1ターンに2回までドローできる。
なぜ1ターンに2度も使えるのか正直意味が分からないが、これにより以前とは比べ物にならないほど手札が増えるようになった。
以前までの【P.U.N.K.】はサーチが豊富なデッキではあったものの、サーチしたカードの大半をそのターンの展開につぎ込んでしまうために展開後は手札がほとんど残らないことが多かった。
しかし、エクストリーム・セッションのドロー効果のおかげで展開後も十分な手札を抱えたまま次ターンを迎えることができ、リソースの継続が可能になった。
待望の「P.U.N.K.」☆8シンクロモンスター
前回のディアノートの登場から、【P.U.N.K.】の初動の動きで中継ぎに☆8シンクロモンスターを挟むのが定番の動きになった。
今までの☆8シンクロには中継ぎに使用する上でアドバンテージを獲得できるモンスターがカオス・ルーラーくらいしか存在せず、相性は悪くはないものの消去法で採用しているのが現状だった。
しかし、今回新たに「P.U.N.K.」カテゴリの☆8シンクロモンスターが登場し、当然ながら中継ぎに使用する前提のデザインのために大手を振って採用することができるようになった。
シンクロ召喚成功時に下級「P.U.N.K.」モンスターにアクセスできる他、サーチしたいモンスターを既に引いている時は幽鬼うさぎ等の☆3サイキックをサーチする選択肢も取れる。
また、相手が「P.U.N.K.」カードの効果にチェーンすると、なぜか墓地から湧いて出てきて再びサーチ効果を使えるおまけ付き。
これにより、「P.U.N.K.」カードの効果に対する相手へのチェーンの牽制にもなり、もしも相手がチェーンすれば手札を増やしながら☆8モンスターが場に出力されるという強力な動きが可能になった。
展開例
①セアミン+手札コスト
セアミンを召喚。
セアミンの効果でフォクシーチューンをサーチ。
フォクシーチューンの効果で娑楽斎を特殊召喚。
娑楽斎の効果で娑楽斎とセアミンでカープライジングを融合召喚。
カープライジングの効果でデッキからディアノートとワゴンを特殊召喚。
ワゴンでエクストリームセッションをサーチ。エクストリームセッションを発動。
ディアノートとワゴンでドラゴンドライブをシンクロ召喚。Mmeスパイダーをサーチ。1枚ドロー。
ディアノートの効果で娑楽斎を蘇生。
墓地の「P.U.N.K.」カードを除外して
Mmeスパイダーを特殊召喚。Mmeスパイダーで「P.U.N.K.」罠をサーチ。1枚ドロー。
Mmeスパイダーとドラゴンドライブでアメイジングドラゴンをシンクロ召喚。
アメイジングドラゴンで墓地の☆8「P.U.N.K.」モンスターを蘇生。
結果:娑楽斎+アメイジングドラゴン+☆8「P.U.N.K.」モンスター+「P.U.N.K.」罠(2枚ドロー)
おそらく最も基本的な展開。
相手ターンアメイジングドラゴンと「P.U.N.K.」罠カードで2妨害。
以前までの展開と比べると盤面にアメイジングドラゴンが追加され、展開の合間に2枚ドローできるようになった。
②娑楽斎+「P.U.N.K.」モンスター1体
娑楽斎を召喚。
娑楽斎の効果で娑楽斎と手札の「P.U.N.K.」モンスターでカープライジングを融合召喚。
カープライジングの効果でデッキからディアノートとワゴンを特殊召喚。
ワゴンでエクストリームセッションをサーチ。エクストリームセッションを発動。
ディアノートとワゴンでドラゴンドライブをシンクロ召喚。Mmeスパイダーをサーチ。1枚ドロー。
ディアノートの効果で娑楽斎を蘇生。
墓地の「P.U.N.K.」カードを除外して
Mmeスパイダーを特殊召喚。Mmeスパイダーで「P.U.N.K.」罠をサーチ。1枚ドロー。
Mmeスパイダーとドラゴンドライブでアメイジングドラゴンをシンクロ召喚。
アメイジングドラゴンで墓地の☆8「P.U.N.K.」モンスターを蘇生。
結果:娑楽斎+アメイジングドラゴン+☆8「P.U.N.K.」モンスター+「P.U.N.K.」罠(2枚ドロー)
①の展開に娑楽斎から繋げる形。
③セアミン+「P.U.N.K.」モンスター+手札コスト
セアミンを召喚。
セアミンの効果でフォクシーチューンをサーチ。
フォクシーチューンの効果で娑楽斎を特殊召喚。
娑楽斎の効果で「P.U.N.K.」モンスターとセアミンでカープライジングを融合召喚。
カープライジングの効果でデッキからディアノートとワゴンを特殊召喚。
ワゴンでエクストリームセッションをサーチ。エクストリームセッションを発動。
ディアノートとワゴンでドラゴンドライブをシンクロ召喚。Mmeスパイダーをサーチ。1枚ドロー。
ディアノートの効果で☆8「P.U.N.K.」モンスターを蘇生。
墓地の「P.U.N.K.」カードを除外して
Mmeスパイダーを特殊召喚。Mmeスパイダーで「P.U.N.K.」罠をサーチ。1枚ドロー。
Mmeスパイダーとドラゴンドライブで☆11シンクロモンスターをシンクロ召喚。
結果:娑楽斎+☆11シンクロモンスター+☆8「P.U.N.K.」モンスター+「P.U.N.K.」罠(2枚ドロー)
少し上振れた展開。
とはいえ、現時点のカードプールでは先攻で建てて美味しい☆11シンクロモンスターはあまりいないので、ややパンチに欠ける。
今後の新規カードの追加によっては、より強固な盤面になるだろう。なるはず。
④娑楽斎+「P.U.N.K.」モンスター2体
娑楽斎を召喚。
娑楽斎の効果で手札の「P.U.N.K.」モンスター2体でカープライジングを融合召喚。
カープライジングの効果でデッキからディアノートとワゴンを特殊召喚。
ワゴンでエクストリームセッションをサーチ。エクストリームセッションを発動。
ディアノートとワゴンでドラゴンドライブをシンクロ召喚。Mmeスパイダーをサーチ。1枚ドロー。
ディアノートの効果で☆8「P.U.N.K.」モンスターを蘇生。
墓地の「P.U.N.K.」カードを除外して
Mmeスパイダーを特殊召喚。Mmeスパイダーで「P.U.N.K.」罠をサーチ。1枚ドロー。
Mmeスパイダーとドラゴンドライブで☆11シンクロモンスターをシンクロ召喚。
結果:娑楽斎+☆11シンクロモンスター+☆8「P.U.N.K.」モンスター+「P.U.N.K.」罠(2枚ドロー)
③の展開に娑楽斎から繋げる形。
⑤娑楽斎+「P.U.N.K.」モンスター2体+エクストリーム・セッション
エクストリーム・セッションを発動。
娑楽斎を召喚。
娑楽斎の効果で手札の「P.U.N.K.」モンスター2体でカープライジングを融合召喚。1枚ドロー。
カープライジングの効果でデッキからディアノートとMmeスパイダーを特殊召喚。
Mmeスパイダーで「P.U.N.K.」罠カードをサーチ。1枚ドロー。
ディアノートとMmeスパイダーでドラゴンドライブをシンクロ召喚。セアミンをサーチ。
ディアノートの効果で☆8「P.U.N.K.」モンスターを蘇生。
墓地の「P.U.N.K.」カードを除外して
セアミンを特殊召喚。セアミンでフォクシーチューン(オーガナンバー)をサーチ。
セアミンをリリースしてフォクシーチューン(オーガナンバー)を特殊召喚。
蘇生した☆8「P.U.N.K.」モンスターとドラゴンドライブで★8エクシーズモンスターをエクシーズ召喚。
結果:娑楽斎+★8エクシーズモンスター+フォクシーチューン(オーガナンバー)+「P.U.N.K.」罠カード(2枚ドロー)
すごい上振れた形。
★8エクシーズの枠はタイタニック・ギャラクシーを出して魔法を封じるもよし、ディンギルスを置いて盤面を強固にするもよし。
⑥娑楽斎+緊急テレポート(フォクシーチューン+手札コスト)+「P.U.N.K」モンスター
緊急テレポート(フォクシーチューン)でワゴンを特殊召喚。
エクストリームセッションをサーチ。発動。
娑楽斎を召喚。
娑楽斎の効果でワゴンと手札の「P.U.N.K.」モンスターでカープライジングを融合召喚。
カープライジングの効果でデッキからディアノートとMmeスパイダーを特殊召喚。
Mmeスパイダーで「P.U.N.K.」罠をサーチ。
ディアノートとMmeスパイダーでドラゴンドライブをシンクロ召喚。セアミンをサーチ。1枚ドロー。
ディアノートの効果で☆8「P.U.N.K.」モンスターを蘇生。
墓地の「P.U.N.K.」カードを除外して
セアミンを特殊召喚。セアミンでフォクシーチューン(オーガナンバー)をサーチ。
セアミンをリリースしてフォクシーチューン(オーガナンバー)を特殊召喚。
蘇生した☆8「P.U.N.K.」モンスターとドラゴンドライブで★8エクシーズモンスターをエクシーズ召喚。
結果:娑楽斎+★8エクシーズモンスター+フォクシーチューン(オーガナンバー)+「P.U.N.K.」罠カード(2枚ドロー)
⑤の展開でセッションの代わりにワゴンを特殊召喚する手段で代用した形。
デッキレシピ
主要なカードの採用理由と枚数について
主だった変更点や、最近の雑感等も含めて記しておく。
娑楽斎 3 セアミン 3 フォクシーチューン 3 オーガナンバー 3
それぞれ初動に繋がる札なので最大枚数の採用。
過剰だと思う場合は娑楽斎の枚数を2枚にしても良いと思う。
ディアノート 3
常にデッキに1枚はいて欲しいため3枚の採用。
2枚にするか悩んだ時期もあったが、初動で融合に巻き込んだ場合など、3枚ないと足りなくなるケースも多々あるため3枚に落ち着いた。
エクストリーム・セッション 3
素引きすると上振れ展開に派生できるため3枚。
テラフォーミングまで採用する必要があるかは諸説あるが、今のところは必要ないと思っている。
P.U.N.K.JAMドラゴン・ドライブ 1
初動で中継ぎに使って以降は墓地に置いておけばそれで良いので1枚だけ。
墓穴の指名者などで除外された時のことまで考えるならば、2枚にしてもいいかもしれない。
幽鬼うさぎ 3
ドラゴンドライブの登場で評価が上がったカード。
既にサーチ先を引いてる場合などに持ってきておくことで、妨害を増やしつつ、アメイジングドラゴンのバウンス枚数にも貢献できる。
獣王アルファ 2
削っても良いと思う枠その1
もはやカテゴリ外の☆8モンスター枠などなくても存分に動けるデッキになったため、以前よりは必要性が薄れたと思う。
抹殺の邪悪霊 1 怨念の邪悪霊 1
削ってもいいと思う枠その2
以前までは手札コストに困って入れていたが、エクストリーム・セッションである程度手札不足は解消された。
☆8モンスターの確保もドラゴン・ドライブで似たことができるため、変に上手ぶってこれらのカードを使う必要もなくなった気がする。
代わりに墓穴の指名者等を入れて各種誘発の対策をした方がいいと思う。
クロシープ 1
ディアノートを素材に巻き込んでクロシープをリンク召喚することで、カープライジングとセアミンを素材にアメイジングドラゴンを出す√があるため1枚は挿しておきたい。
おわりに
デッキビルドパック出身のテーマの追加新規は2~3枚が定番のため、今回の強化を最後にP.U.N.K.の新規カードはしばらく打ち止めだと思われる。
P.U.N.K.と相性の良い☆11シンクロや☆3サイキック族が追加されて間接的に強化される可能性もあるので、今後はそちらに期待しようと思う。