概要
シーランサーに多種多様なカードを装備して戦うデッキ。(ガエル、水精鱗、グレイドル、ジェム、スパイダーシャーク...etc)
あくまでもシーランサーを基軸に据えたビートダウンを目的とし、刻剣の魔術師等を用いたシーランサーによる半永久的なループエンジンは採用しない。
現時点でのデッキとしての目標は「ガエル」「ジェム」「グレイドル」「スパイダーシャーク」の装備、及び活用とする。
デッキコンセプト
ややこしいことを言っているけど、具体的に何をするのかというお話。
シーランサーはモンスターを装備するという特性上から、装備したモンスターの「フィールドから墓地へ送られた時(場合)の効果」「破壊され墓地へ送られた時(場合)の効果」などを誘発することができる。
この特徴を活かして装備したモンスター(以下、装備品と呼ぶ。)の効果を発動して盤面をコントロールしながらビートダウンしていく。
主要なカードの採用理由について
「ガエル」カード(装備品:魔知ガエル、引きガエル、餅カエル)
従来のガエルランサーの動きを元に主にリソース面の確保を担当。
装備品はそれぞれ「ガエル」モンスターのサーチ・サルベージ、1ドロー、水属性モンスターのサルベージを行うことができる。
これを使って鬼ガエルとその他水属性モンスターを手札に持ってくるのがガエルの役割。
「ジェムナイト」カード(装備品:アメジス、アクアマリナ)
いわゆるジェムランサーの動き。
アメジス、アクアマリナともに強制効果のバウンス効果を持っているので、相手ターンに誘発することで盤面のコントロールを狙う。
除外手段にはクリスタルローズとジェムナイトフュージョンを採用。
クリスタルローズは「ガエル」モンスターとのエクシーズやリンク召喚、ジェムナイトフュージョンは各種手札コストとして使用する。
「グレイドル」カード(装備品:スライムJr)
初動で餅カエルを建てる補佐としてスライムJrを採用。
グレイドルインパクトは「グレイドル」カードを破壊の対象に指定しているので、シーランサーに装備されているスライムJrと相手フィールドのカードを破壊することができる。
「水精鱗」カード(装備品:ネレイアビス)
デュエル序盤にサラキアビスを展開し、以降はアビスグンデで繰り返し蘇生することで被破壊時効果の発動を狙う。
手軽に蘇生できるリンク2水属性モンスターなのでバブルリーフやトロイメアユニコーンなど各種リンク素材になったりもする。
アビスパイクは手札コストと合わせて初動になる他、シーネットルやフェンリルとスパイダーシャークを建てたり、サーチ効果で儚無みずきやネメシスアンブレラに触ったりする。
黄金卿エルドリッチ、ユニオン・キャリアー
中盤に適当なカードからユニオンキャリアーを作って自身対象でデッキからエルドリッチを装備。
呼び出したエルドリッチはシーランサーの装備を打点に変換したり、ジェムナイトフュージョンや腐った魔法罠をコストに使いまわせる除去札として活用する。
大まかなデッキの動き
初動について
このデッキの初動パターンは大きく分けて「餅カエルを建てる」か「サラキアビスを建てる」かの二通り。
餅カエルを先に建てた場合は溜まったガエルリソースからサラキアビスへ。
サラキアビスを先に建てた場合は被破壊時効果から魔知ガエルを展開し餅カエルへと派生する。
双方の展開を通して墓地にリソースを貯めたのち、シーランサーを展開。
各種破壊カードによって装備品の効果を利用して戦っていく。
シーランサーの確保手段について
シーランサーは基本的にはサラキアビスの被破壊時効果で墓地へと叩き落し、アネモネ等で蘇生して展開する。
しかしながら相手がそうやすやすとサラキアビスを破壊してくれるとは限らない。
そこでサブプランとして氷結界の墓地効果をでシーランサーを墓地へ落とす動きを取り入れた。
氷結界を墓地へ送る手段としてマーレラを採用し、後述するハイレートドローの確保にも役立てていく。
アネモネはシーネットルの墓地効果でデッキに戻せるので、何度でもシーランサーを盤面に出力できる。
シーランサーの装備を破壊するカードについて
装備品を破壊するカードはバハルストスFとハイレートドローの二つ。
どちらも自分フィールドのモンスターを破壊するカードだが、シーランサーは自身が破壊される際に装備カードを身代わりにできる効果を持っている。
つまり、実質的にシーランサーの破壊を装備品の破壊と置き換えることができる。
バハルストスFもハイレートドローも破壊効果でモンスターが破壊されなかった場合、前者は手札に後者は墓地に留まるので、使い減りしないシーランサーの破壊手段として使用することができる。
防御手段について
魔知ガエル、ジェントルーパー、戦線復帰
文字通り相手の攻撃を回避する手段。
魔知ガエルとジェントルーパーは自身以外のモンスターを攻撃できなくする効果を持っており、戦線復帰で奇襲的に特殊召喚することで自分のモンスターを守ることができる。
儚無みずき
儚無みずきは相手が特殊召喚するたびに自分のライフを回復する効果を持っているので、繰り返し餅カエルで回収することで少しでも延命する助けになる。
その他採用候補だったカード
ライトハンド・シャーク、レフトハンド・シャーク
以前はスパイダーシャークの建立手段として採用していたカード。
スパイダーシャークに余計な耐性をつけてしまうため、肝心のスパイダーシャークをバウンスで処理されることが増えてしまい、本来の役目に沿った働きをできなかったので解雇した。
切り返しに強くなったり、墓地効果で蘇生した後は除外される等このデッキとの親和性自体は高かった。
ライトハンドシャークは一枚からサラキアビスを建てられたり初動の安定感には多少貢献していたかもしれない。
妖精伝姫-シラユキ、大欲な壺
もともと餅カエルや水精鱗、グレイドル等の除外手段に乏しい装備品を除外する目的で入っていたカード。
大欲の壺と合わせてエクストラデッキのリソース回復や、万が一の場合のキーカードの除外ケア等幅広く活躍していた。
バブルリーフによりほぼ全ての装備品をデッキ内の動きで除外できるようになったり、シーネットルの登場でエクストラのリソース回復も間に合うようになったので採用理由が薄くなったため不採用となった。
キーカードの除外ケアだけが不安点だったが、ネメシスアンブレラの存在を思い出したので安心してデッキから抜けていった。
潜海姫プリマドーナ
墓地に送られると除外リソースを回復する装備品。
単純に水属性リクルートカードとしても優秀。
シーランサーの装備品としてみるとアネモネで蘇生して使いまわすことの方が多く、わざわざ装備する意味もないなという印象。
クリスタルガールをリクルートしてシーランサーサーチとか考えてた時期もあった。
グレイドル・スライム、水晶機巧-グリオンガンド
グレイドルスライムの墓地効果もインパクト同様「グレイドル」カード指定なため、装備カード状態のグレイドルで条件を満たせる(「グレイドル」カテゴリのデザインを考えると当たり前なのだが)。
装備のスライムJrを破壊してスライムとスライムJrを特殊召喚し、適当な☆2モンスターにダブルチューニングすることでグリオンガンドをシンクロ召喚できる。
以前は採用していたが、別にこの動きをしなくてもスライムJrを召喚してスライムを特殊召喚するだけで適当な☆2モンスターとグリオンガンドが出せてしまうため、動きとして採用する意味が薄いと感じて不採用になった。
白闘気白鯨、白闘気一角
水属性を素材に指定するシンクロモンスター。
墓地の水属性を何度も除外できるカードではあるが、相手依存の性能になるため安定しないという印象。
墓地の水属性が空になるまで白鯨を殴られるような泥仕合が起こる可能性も(というか実際にあった)。
シーアーカイバー、シューティングコード・トーカー
アピスパイクでサーチしてからアネモネの効果に繋げると出るよねという話。
一時期は大真面目にスパイダーシャークの蘇生先に据えていたりもした。
実際複数枚ドローできると楽しい。
瀑征竜-タイダル
かえして。
十二獣ブルホーン
かえして。
ブライニグル
墓地へ送られると水属性の打点をターン終了時まで1000上げるというカード。
シーランサーの打点を一瞬だけ3300まで上昇させるものの、こいつ自身を墓地まで引っ張ってくる手間を考えるとそれだけではやや物足りない。
最近はネレイアビスやらバブルリーフやらで打点解決に関しては昔ほど困らなくなったというのもある。
サルベージ
水属性の十八番。パワカ。
引ければ強いがサーチの効かない素引き札であること、初手で引いても腐る可能性が高いことなどを考慮して採用を見送った。
ドラゴニックD
Q.なんでバハルストスFのサーチ手段がドラゴニックDじゃなくて幽麗なる幻滝なんですか?
A.【命削り真竜】にボコられたから(ドラゴニックDの攻撃力アップは相手も上がる)。
各種「バージェストマ」カード
もう少しバックを厚くするならという候補群。
準備さえそろってしまえば平気なものの、序盤はディノミスクスの手札コストが重いなあと思うことがあったりなかったり。
カナディア辺りに変えてしまうのも手かもしれない。
ブレイクスルースキル、迷い風、巨神封じの矢
マーレラで落とす先を増やすなら。
これらのカードを優先して落とすケースは落とす先を両方素引きしていた場合、もしくはすでに墓地に落としていた場合なのでレアケースな気もする。
最悪落とすカードがなくなった場合はマーレラでマーレラを落とせばいいと考えているので、わざわざ落とす先を増やす必要はないかなと。
ピンポイントガード
めちゃくちゃ趣味に走った一枚。
魔知ガエルかジェントルーパーを蘇生すれば、そのターンのバトルフェイズはほぼ確実に生き残ることができる最強の防御札。
しかしながら、今時攻撃宣言時発動のカードを相手が許してくれるはずもなく、汎用性で勝る戦線復帰に落ち着いた。
潜海奇襲
刻剣の魔術師は使わないにしても潜海奇襲ならばビートダウンの側面に沿った形で採用できるのではないか、という考え。
しかし、海を手札ないしは墓地へと持って来ないといけないことから海を複数積みする必要があるため、デッキが嵩張るのを嫌って不採用とした。
マーレラの代わりに副葬を採用すれば組み込めなくもないが、各種装備品のタイミングを逃す、単純に魔法罠ゾーンを圧迫するなど思考停止で組み込めるカードではないという印象。
相手ターンに装備を破壊する手段に関してはハイレートドローで間に合っているのもたしか。
今後の拡張案
幻竜族
バハルストスFの被破壊時効果を使って何かできないかという案。
バハルストスFは手札に抱え込むことが多いので相手ターンにネレイアビスで破壊、デッキから幻竜族を特殊召喚して奇襲等できるカードなんかがあれば良さそう。
ビースト(獣族・獣戦士族・鳥獣族)
シーランサーも獣戦士族の端くれなので昨今の強化を受けて何かできないかという案。
三種族の中でも獣族はランク2で簡単に触れる範囲にあるので、そっち方面で伸ばしてみるのも悪くないかもしれない。
ゲイザーシャーク
せっかく☆5水属性モンスターなのでステータスも使ってあげたいよねという案。
シーネットルで出すエクシーズを繰り返し戻せるようにはなったものの、現状出して旨味のあるエクシーズもあまりいないのが難点。
今後のカードプールの増加次第では採用してみたいかもしれない。
よくある質問
ドラグマ入れないの?
入れません。
ドラグマを採用するとエクストラの装備品の確保がドラグマ単体ですべて解決してしまい、メインデッキのカードの採用理由の大半が消え失せてしまうため。
メインデッキをシーランサーと直接効果の関わりのないドラグマで埋めるよりは、噛み合いのある魚族・海竜族・水族関連カードで埋める方が自然な構築だと僕は思う。
海皇入れないの?
入れません。
水属性グッドスタッフ的な構築を目指すならば採用候補だとは思う。
たしかに水精鱗と海皇は相性がいいが、シーランサー周りの動きに関連するパーツではないため、このデッキのコンセプトには沿わないカードだと思う。
クラゲ入れないの?
入れません。
単純にエクストラの枠がないのもそうだが、このデッキで出してもただの強めの汎用カード止まりな気がする。
もっとクラゲを出すに即したデッキが他にあると思う。
今後の課題
初動の安定
上の方で偉そうに初動とは書いたものの、つまるところ餅カエルかサラキアビスを建てられる手札じゃなかった場合はセットエンドでお茶を濁すしかないのがこのデッキ。
他に初動になれるカードを増やすなり、罠を増やして相手の速度を削ぐなり、もう少しどうにかした方がいいかなあという感じ。
ジェムナイト周りの動きについて
ブリリアントフュージョンさえ引ければジェムナイトの動きをできるものの、動きの内容としてはファントムルーツを経由してアクアマリナを投げるだけ。
その動きもブリリアントフュージョンの制限化で安定感はないに等しい。
もう少し気の利いたアプローチはないものかと模索している状態。
スパイダーシャークの蘇生先の設定
現時点のデッキ構築ではスパイダーシャークの蘇生先について特に何も考えられていない。
シーネットルが登場したことで、水属性のエクストラモンスターを蘇生先に設定しても、一度デッキに戻して出した方が早いということにもなりかねない。
水属性以外のモンスターか、メインデッキに入るモンスターで何かしらの候補を探さないといけない。
あとがき
最初にこのデッキを組んだのが2015年。
シーランサーを使い始めたところまで遡ると2012年なので早9年。
なかなかに長い付き合いになったなあと思う今日この頃。
ほとんどシーランサーのサーチ手段のなかった昔に比べると、ブルホーン(禁止だけど)や氷結界の登場、アネモネで墓地に落とすアプローチも取れるようになったりとカードプールの進化を実感する。
長いこと使っている分たまにマンネリ化したりはするものの、まだまだ【シーランサー】でやりたいことはたくさんあるので、これからも構築に悩まされる日々になると思います。